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すごい応用コース


ふつふつとした何ともやるせない気持ちで、昨日は実家から帰ってきました。金曜日に施設から電話があり、今年に入ってから脳梗塞の母の血圧が高いままなので降圧剤を再開したいと言われ了承しました。退院後しばらくすると母がずっと足が痛いと言い続けるので、訪問診療時に医師に聞いてほしいとお願いしていましたが、その結果は寝たきりによる股関節の硬直によるもので痛み止めを火曜日から服用したと報告を受けました。寝たきり老人にする為に自宅介護にしたわけではないのにと悔しい思いの中、母の変化を見ながら現象となって現れていました。その痛み止めの副作用なのか、幻覚・幻聴・軽眠が続いているので医師に相談すると言います。私が今夜帰った際に驚かないようにとの話を聞きながら、お泊まりができず自宅で過ごしたこの数日に何が起こったのかと不安の中で帰りました。母との話の中で「えっ」と思うことはあれど普通に話していれば元に戻ります。それを何と表現するか、選ぶ言葉で不安だけを煽るのは怖いことです。更に、食事が飲み込みにくいみたいなのでトロミ剤を買うように言われ、試供品とカタログが置いてありました。相手の要望から透けて見えるものは、滞在時間の時間短縮、要は手取り早く食事を済ませたいのだと分かります。私と母の食事は普通の食事を一緒に食べます。鋏で小さく切れば母は食べるのです。ただゆっくりと何回も咀嚼するので、時間がかかります。私も帰らなくてはいけない朝は時間がないので、ヘルパーさんが母に時間がかかり過ぎて次の訪問に行けないと仰る気持ちも分かります。だからといってトロミをつけたら病院と同じじゃないか。母は何本もない自分の歯で、自分の力で食べているんだと叫びたくなります。介護する側とされる側の狭間に、またしてもジレンマが生じます。帰り際に玄関脇を見ると、帰宅しても庭にお水もあげられないのに、亡き父が母の為に植えたプリンセスミチコが何輪も花を咲かせていました。母が何ヶ月も入院で不在だった時も、家を守るかのように咲いていました。風に揺れる姿を見て、揺るぎなくやれと聞こえました。唯一の救いは、これから先生にお会いできる応用コースがあることでした。

応用コースは、あまりにも密度が濃く講座の時間を越えた世界でした。先ほどまでのふつふつとしたやるせなさなど木っ端みじんになくなり、先生はすごいと感服いたしました。そして、答をいただきました。介護の話は今の私にとって本当にありがたく、自分が進むべく指針となります。時間軸と時間の価値は色々なことを考えながら、次々と分かることがありました。「NPOいのちの方は、いだき受講生」先生の言葉に、ハッとしました。私は看護師でも介護士でもありませんが、自分がやればいいと可能性が見えたのです。私が母と共にいる時間は限られていますが、たとえ週末だけでも特別な時間にすればいい。私のお味噌汁を美味しいと言って、よく飲んでくれます。私と食べるとき、ゆっくり美味しく食べればいい。他の人に求めることではありませんでした。文句を言っていた私も、他の人同様世の中の時間軸にいました。母の時間軸があるのに、自分の都合の時間軸で時計を見ながら合わせようとしていたのです。「世話をしている、面倒をみている。誰がお客さんなのか」との先生の言葉を聞く度に悲しくなっていましたが、いつの間にか自分自身もやってあげている側にいっていたのだと気づきます。要領の悪い私は帰る度に気づけば夜中を過ぎていて、時計を見てはため息ばかりついていました。変えていけるところはたくさんあります。介護の大変さが身に沁みる今だからこそ、サポートで助けていただきながら自分が今いること、先生とお会いしていることを、もっと活かしていきます。高麗さんが高句麗伝説で表現された言葉が「未来進行形」だったとお聞きし、すごいと明るくなりました。その場を経験させていただいたのです。「未来進行形」わくわくする言葉です。経営のことも、その都度目標を立てて、やれなかったことを分かってジャンプしていくとは、すべて具体的にすることであり、やっていなかったことです。「今日から新しい価値を創っていく。前に向かっていく」先生の言葉に、自分の可能性を見出しました。それは母に通ずることです。ありがとうございます。やってみます。

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新年の桐箱 いだきしん先生の書です。
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盛岡にて