いやな夢を見たが……
皆既月食に興奮して寝たのだったが、朝方、大学の講義(外国語の講読だったか)にまるでついていけなくて、自分の不勉強とダメさを痛感し、すっかり嫌になる――そんな夢を見て、目が覚める。ついでに小学校のとき、算数の応用問題が解けず、困惑したことや、高校のとき、重力のことが理解できず、すっかり理科嫌いになってしまったことも、まざまざと思い出す。もう、60年以上も前のことなのに……。過去の失敗や過ちにこだわっていても、どうにもならない。どうであれ、リスタートするしかない、などと言い聞かせて、ちょっと暗い気持ちで、学校へ行く。
そして、同僚に、その話をすると、「いや、それは体の調子がいい証拠ですよ!心理学の方からは、悪夢は体に元気があるからと、証明されていますよ。」と言われる。深層心理的に、「現実逃避」と「願望充足」の二つがあって、良い夢は、「現実逃避」の心理がもたらすとか。だから反対に、悪い夢は、なんとか乗り越えねばという体の元気がもたらすのだとか。それを聴いて、いっぺんに気持ちが明るくなる。なんと人の気持ちの変わりやすいことよ!やはり皆既月食は、いいメッセージだったのかも。