「考える」ことは「問う」ことから
よく講座で、「なにかありませんか。なんでも言ってみれば!」と先生がおっしゃるのに、なかなか声が出ないことがある。質問できないということは、あまり深く考えていない証拠と、自分の不勉強を責めてしまうのだが、「どうしたらいいのか」「どう動けばいいのか」は禁句なので、結局自問自答して、なにかそれを受け止められたようにも感じ、変に元気になってしまうのが常である。
最近、ダン・ロススタイン、ルース・サンタナの『たった一つを変えるだけ』(新評論)と、梶谷真司著『考えるとはどういうことか』(幻冬舎新書)とを立て続けに読んだので、いかに「質問力」が大切かを痛感している。うまい質問をし、話し合えば、かなり新し生き方が可能になるのだ。その質問の質をよくしていくには、これまでの感覚や常識を一新し、自由な視点と柔軟な行動が必要になるのであって、そのことに元気に取り組んでいく気力を「いだき」は与えてくれるのだ。コーヒーの味、音楽の響き、光る言葉で。