「新オキシトシン」
とても真摯な感じと深い哲学的思索を導くようなコンサートだった。「生命の美しさ」の前では、科学的な分析やしたり顔の情報も、すっ飛んでしまい、「どこまでも続く愛」こそが、わたしたちを導いてくれる恒星なのだ。ちょうど「愛は世界を救わない」という文章(橘玲『バカと無知』)を読んでいたので、あやうく「愛」を見失いそうになっていたのでホッとした。共感を育む「オキシトシン」という神経伝達物質だけによって、「愛」を説明しようとすれば、「内集団びいきの郷党的な利他主義者」を作ってしまい、より世界を分断してしまう、という論説に驚いていた。今夜のコンサートを聴いて、真の「愛」は、もっと大きく、もっと美しく、もっと強いものであることが分かった。で、安心と幸福感の中で、頭も体もくつろぎ、これまでとは別様の気力を養うことができた。この「新オキシトシン」を明日の二つの講座で言葉で確認したいものだ。