「悩んでも、しゃあない！」

今年の２/４と、先日の6/19に新聞に安藤忠雄さんのことが載っていた。去年１２月に、松山に遊んだとき、「司馬遼太郎の坂の上の雲ミュージアム」に行って以来、この建築家に親しみを覚えていたが、かれが癌治療のために「五臓なしの体」の８０歳であると、記事で初めて知った。しかも、独学で建築学を学び、「プリッカー賞」を受賞するに至ったこと、大阪中之島に「こども本の森」を建て、想像力や教養を育む読書こそ、日本の将来を担う力だと言い切ってること、どれ一つとっても与えられないものはない。「悩んでも、しゃあない！」というポジティブシンキングがいい！　みんなが「不動産屋状態」になっているのはおかしいのであって、希望と元気をなくしている日本人に、苦難を越え、自分の頭で考え、責任ある生き方をせよと、語り掛けている。「金がない」くらいでおたおたしている自分が恥ずかしい。

これは高校生たちにぜひ知らせたいと思って、今日は臨時に授業した。「国語」と関係ないとしらけるかと思ったが、熱心に記事を読み、わたしの話に耳を傾け、そして、感想文を真面目に書いて提出してくれた。郷土の偉人として、かれらも喜んで受け止め、尊敬と共感の言葉を綴っていた。自分がすぐにネガティブになってしまうことを語り、思い直す良いきっかけになったなどと。良い授業ができた。今日の成果である。（2022.6.21.）