「心の通信線」
女性脳は、「心の通信線」と「事実の通信線」の2本を使って、会話する。男性脳は基本的に「事実の通信線」のみである。「それ、違ってる」といきなり結論を出す。悪気はないのだろうけれど、「心の通信線」を“わざと”断たれたと女性は感じるのである。
黒川伊保子『妻のトリセツ』(講談社新書)
ちょうど塾生の両親がもめていて、とうとう子どもが学校を休むような事態になってしまった件について、その母親から相談を受けていたときだったので、読んでいた本の一節が気になった。いまは、「男女の脳は違わない!」というのが先端の風潮のようで、この本も随分たたかれたそうだが、やはり科学的に違いがあるようである。右脳と左脳を結ぶラインの太さが男女によって違うとか。ただ、わたしは、そう明確に分けることが正しいとも思わない。性差は事実としても、それを越えて協調できる知恵もまた男女とも持ち合わせているのではなかろうか。くだんの夫婦の場合、どうやら夫の方が「女性脳」を求めているように思えるのだ。でも、余計なことを言うべきでないので、「心の通信線」を開通しておくように、もっともっと話し合えばいいですね、としか言わなかった。いかがだろうか。