「入れ歯」ショック
虫歯の治療に通っていて、昨日、とうとう入れ歯になってしまった。以前のように「挿し歯」で済むのかと思いこんで、よく医者の説明を聞いていなかったこともあるが、装着の練習をさせられているうちに、頭が真っ白になるくらいのショックを感じてしまう。「ああ、とうとうこうなってしまった……。」と。
で、夕方からあった、前任校の歓送迎会に出たとき、衝撃のレポートのつもりで、挨拶の冒頭に振ったのだが、みんな反応してくれないのだ。「その年で入れ歯くらい、当たり前のこと」というような顔をして、なに下らぬことを話しているという顔をされてしまった。それがまたショック! だいたい81歳にもなって、まだ現役で働いているということ自体、あきれたことのようだ。だから、今年は、どこそこの学校に出向していますと報告しても、「ええ!まだ働いているのですか」と言われてしまう。非常識人間なのか、わたしは。
内田樹さんじゃないが、今の日本、学校教育が、いかに「創造」の場でなく、「管理」の場になり下がり、その機能が落ちこんでしまっているか、という思いを強くしてしまう。「定年退職」「余生」「老後の楽しみ」なんて言う言葉に覆われている。そう嘆き、腹立たしく思っていると、「入れ歯」ショックから少し抜け出せそうになったが……。(5/25)