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「ベーシックインカム」


もう18世紀から、功利主義者のミルたちによって、提唱され、今世紀になってからは実践と試行錯誤が続いている「ベーシックインカム」という経済対策案。経済に疎い私などは、最低限の補償を得て、やりたいことをやっていける良い制度だと大いに歓迎しているが、問題は、財源と人間の倫理観。消費税を25%にすれば可能らしいが、それには戸惑うし、どんんなに考えても、ずるい抜け穴を見つけ、金だけを奪う悪い人間は尽きないだろう。「ふるさと納税」を活用して、「こんなうまい方法ない!」とあちこちの特産物を手にして喜んでいる知人に言わせれば、「ベーシックインカムなんて、見せかけの扶養家族さえ増やせば濡れ手に粟で儲けられるし、とても現実的な救済にはならない。」と手厳しい。また、「生活保護」を受けて、「これで何もせず楽に生きていける!」と喜んでいた知人は、最近は体調を崩して入退院を繰り返している。人間、アーレントさんの言いうように「労働ー仕事―活動」と展開するのは、相当難しいことのようだ。善意と信頼に生きることの困難が、すべての思想も施策もだめにしてしまうのが現実なのかもしれない。ただ、わたしは、「いだき」のおかけで、真っ当に生きることを断念する気はない。「ベーシックインカム」が、生きる社会を構築していきたいものだ。

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