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新生


「夕やけ小やけの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か」
すみれ色に染まる三鷹の空に響く5時を知らせるチャイムに、胸が郷愁でいっぱいになりました。風のホールに向かう道すがらでも感じるその郷愁は、自分の幼い頃の記憶から来るものではなく、自分の知らない、遙かな昔に生きた時の郷愁のような、それでいて凄く身近に感じられる懐かしさであり、胸が締めつけられるように切なくなります。
三鷹は不思議な地です。自分のふるさとではないのにふるさとと感じ、温もりと安らぎに包まれて光のホールの開場を待ちました。
高句麗伝説が始まり、お父様の詩のところで不意に涙流れ、胸がいっぱいになりました。先生の演奏されるクラリネットの音色に、先ほどのすみれ色の三鷹の空と赤とんぼのチャイムが繋がったのです。
18歳の時に上京し、縁あって住み着いた地は武蔵野でした。何故か離れがたくて30年以上が経ちました。隣町の三鷹は上京した頃からずっと親しんできました。そして長い苦しみの時を経て、三鷹の地の先生と高麗さんに出会わせて頂きました。
今日は自分の歩んできた道を振り返り、そのことを噛み締めていました。
10月1日、高句麗では天を祀る日。この日のことは忘れません。私も新しく生き始めるスタートとなりました。
9月の初め、いきなり職場の店長から理不尽な要求を出され、愛する仕事から引き離されるように6年半勤めた職場を辞めざるを得なくなりました。9月中は心が曇りがちでしたが、昨日30日に退職した時には心の整理がつき、もうこれで終わりにしようと潔い気持ちに変化していました。自分の知らぬ過去から今現在までの自分に、一切けりをつけたような清々しい気持ちです。
今日の高句麗伝説は、全く新しい時代、高麗さんが仰る大いなる存在とつながり生きる時代、魂の真を現す時代が、いよいよ開かれたことを実感し、さあ私も新しく出発だと、希望と意欲に溢れます。
昨年の11月1日、仙台の高麗屋で高麗さんに書いて頂いた書を今も大切に手帳に挟んでいます。
「真 を求め 出会えた人生 愛 を実現」
美しい桃色の和紙にしたためられた書は、私のこれからの生きる指針です。
大好きな三鷹の地で、先生と高麗さんの出演される高句麗伝説に、皆様と共に居させて頂きありがとうございます。

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仙台高麗屋にて-2
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