これから・魂また
一葉の写真があります。亡き母とボウズマンさんとの写真です。ただそれだけのことですが写真に写ったのボウズマンさんの笑顔がすべてを語っています。父母がニューヨークに行けたことすら、それこそ奇跡というより先生高麗さん、当時のスタッフに助けられて、語ればすごいとしか言いようのない物語になります。ですが私の知っている母は私から見た母でしかありません。ほんの一部分でしかないのです。魂からすれば今私がいだきに出会えてまだつながっていることに、これからがあるのです。
最近父のことを思い出すことがあり、あれから20年がたち、父の本当にしたかったこと、語りたかったことは何なのかを考えます。今生きている私がすることは、と。とぼけている場合ではありません。毎日些細なことで気づきの連続ですが、死が自分の身に明日にでも到来するかもしれないことは実感としてはありません。時間という悪魔に支配されず今、今をどう生きるか、20年前の笑顔をこれからにするために。
ありがとうございます。西川久美子 旧姓覚前 久美子