はるか彼方
第一部「初恋」
初恋は、まだ主体が曖昧で、自己象が未成立の時に起こります。
だから初恋と恋は別物です。
恋は主体性を伴いますから。
初恋は、相手ではなく「自分という存在が、初めて世界に呼ばれた」出来事。
だから後年になって突然「あれは初恋だった」とわかります。
初恋は「感情」ではありません。
うれしい、せつない、ときめく、は後からついてきた影です。
初恋の本体は、説明の前に起こった体の震えです。
初恋は、最近テーマにしている「玄牝」が一瞬ひらいた痕跡でもあります。
玄牝は初恋が永遠に還っていく場所です。
初恋とは、自分が世界にひらかれてしまった存在であることに、
まだ言葉が追いついていない状態です。
念のためひとことつけ加えて、初恋は「傷」にはなりません。
多くの人が無意識に誤解しています。
初恋が辛かったとか、何もはじまらなかったなど。
それは最初に世界と接触した痕跡であるからです。
更にいえば、初恋は「時間の中」にはありません。
時間が立ち上がる前に起きたことです。
思い出しても古くならない。
忘れても影響は残る。
更に突然、現在にあらわれたりします。
語らなくても生き方に染み込んでいるのです。
第二部「玄牝との関係で愛」
玄牝とは、生むが名を持たない場。
愛とは、玄牝が世界の全てに行き渡った状態です。
だから愛は、ただ在る。
世界がそのまま呼吸している状態。
日常で愛が消える瞬間は大抵こうです。
初恋を思い出そうとする。あの感覚を取り戻そうとする。
初恋を、おいておく。触れない。使わない。
すると不思議なことに、日常が変わりはじめます。
クリスマスイブのコンサートメッセージが「初恋」とは予想すらできないことでした。驚くばかりです。どこか怖い感覚もあり演奏を待ちました。初雪のような純白な雪が降ってくるように見える音でした。やさしくやわらかい音に抱かれ、首の後ろも背中も光に包まれ、暖かくすこやかでした。何かが生まれる前と生まれた瞬間の連続の音に初恋とは「玄牝」かと感じました。先生のメッセージにて「初恋は玄牝が一瞬ひらいた痕跡でもあります。玄牝は初恋が永遠に帰っていく場所です」のお言葉を心にしました。一部で経験しましたのはこのメッセージと感じました。初恋とはの説明をたくさん書いてくださいましたので、これかなと頭をかずめてもメッセージを読むと、違うとわかります。初恋ということを違うように捉えていました。「初恋の本体は説明の前に起こった体の震えです」と書いてありましたので、初めて知ることとなりました。「自分という存在が初めて世界に呼ばれた」出来事とは、全く知らないことでした。多くの人が無意識に誤解していますとの表現にうなずくよりありません。が、コンサート中はずっと何かが生まれる前と生まれた瞬間ばかりを経験させていただきましたので、経験できましたことはとてもうれしくありがたいです。コンサートで経験できましたことで、はじめていけます。先生が新年にはふさわしいメッセージとおっしゃり、これではじめていけるとおっしゃいました。その深い意味はまだわかりませんが、はじめていける感覚があることにより、とても助かったのです。クリスマスイブを意識した訳ではありませんが。私には先生の演奏からイエスキリストを感じ、聖なる生命の美しいこと、清らかな光に触れ、私の心も清められていくことを感じ、感謝よりありませんでした。大いなる存在とつながり生きることがこれからの人間の生き方と感じていました。心が暗くても大いなる存在とつながると抜け出し口が見え、苦しみが抜けていくのです。限界の壁も枠も突破できるのです。無限な世界で生きる内面を感じました。
第2部は、「玄牝との関係で愛」でした。メッセージをよく読みました。そのままとわかります。愛が消える瞬間のことを読むと苦笑いするよりありません。愛が消える瞬間を日常でよくやっていることを認め、頭を垂れます。演奏により、玄牝がすべてに行き渡った状態を経験させていただきました。最後の音は忘れられません。音が聞こえなくなってもはるか彼方に通じていくのです。私の生命の光は遥か彼方とつながったのです。飛翔しました。今年最後のコンサートですので、なんとしても新しい年を生きるあり方を経験したかったのです。予想すらできない最高の経験をさせていただき、今日も救われた思いでした。これで生きていけます。今日お越しくださいました方々は大変幸運と感じます。新しい年を生きる経験をしているのです。ウクライナの方々も皆様おっしゃっていましたが、ここに集い、皆で経験できる幸せと感謝を繰り返しお話されておられました。真に集え、共にこれほどの経験ができ、幸せです。メッセージは何度も読んでくださいと先生がおっしゃいました。皆様も何度もお読みいただき、理解を深めていただければと願います。私も何度も読ませていただき、理解していきます。ありがたいことに生命が経験していますので、わかっていけることがありがたいです。今年最後のコンサートをありがとうございました。皆様と共に経験させていただき、心からありがとうございます。
