いのちの深謝

１５年前、私は突然のように京都にも住まいを構え、
IDAKIをお伝えさせていただきたく、
骨をうずめる覚悟で参りました。
けれど何ひとつ芽が出ず、その事実は長い間、心の重石でした。

この度は、京都での いだきしん先生におかれましては
二日間にわたる講座を。そして
高麗恵子さんにはビデオ講演会公開収録から即興詩まで、
誠にありがとうございました。
先生が、
「京都でのこの二日間にかけてきた」
と静かに語られた瞬間、
胸の奥で長く固まっていたものが音もなくほどけ、
半端にしていたところが静かに消えはじめました。

京都は私の出身地ではありませんが、奈良をふくめ
説明できない“魂の縁”をずっと感じてきました。
京都が変われば日本が変わり、日本が変われば世界が変わる。
生命はいつも、その一点へ向かっています。

そして今朝、ふと気づきました。
芽が出なかったのではなく、深く根を張っていたのだと。
止まっていたのではなく、土の奥で命が息をしていたのだと。
自分勝手ながら、そう受け取り新しい創造へ向かっています。
蕾がふくらむ気配があります。
恋のはじまりのように静かで、確かな合図です。

「玄牝」のコンサートからはじまった新しい革命は
今回の「ジェンダーをめぐって」の講座を経て
さらに高みへと導かれています。

ただ美しく生きる。
ただ美しく在る。

ーーそのことが世界を変える根であると
生命で理解しはじめています。

いだき講座を受講させていただいている超幸運が
そのままあらわれることに徹しようと
心に決めています。

「人間の生命は宇宙の花」。
かつて高麗恵子さんが綴られた言葉です。
憧れの響きだったものが、
いまは“生きられる現実”として心に息づいています。

先日、府中のコンサートに初めて来られた方が
「言葉が出ません。ただ……すごい」と感動を語られ、
帰宅後メッセージを読まれ
「『玄』の深さが更に深まりました」と。
そして昨日は「友人を誘い、高句麗伝説に行きます」
と連絡をくださいました。

東京髙麗屋はプレオープンから三ヶ月。
ただの場所ではありません。
大開運はじまりの聖地です。

初日に伺うと決めた瞬間から
心は静かに震え、
「今日から自分が自分に成れる」と感じていました。
その予感は現実となり、
人生で最悪に思えた状況までもが
思いもよらぬ方向へと開かれています。

東京髙麗屋へ生命を運ぶたび、
胸の奥に灯る小さな火は静かに強くなり、
無意識にもその光を育てるように歩んでいます。
必要なものは自然に整いはじめます。

髙麗屋さんでの催しの参加を決めた瞬間に道がひらき、
歩むほどに、内面の倍音は深く、美しく響いていきます。
内面と、髙麗屋さんの空間、
高麗恵子さんはじめ多くの尊い存在が
共鳴、共に成長しているように感じます。

この流れを自分ひとりのものとせず、
新しい時代をともに生きる方々へ届けていく。

先生が御復活された年、
一人ひとりが復活する年でもあると、
深く新たにする日々にあります。