生命の望みをわかる
このように生きていきたいと生命は切望しているのを感じながら1部をお聴きしました。
愁いが全身を覆っていたとき、大きな木に助けられたことがあります。食事もできず、毎日愁いでいっぱいだったとき、自然に触れたくて新宿御苑に行きました。ずっと憂いた心を引きずりながら歩いているとき、大きな一本の木がありました。葉っぱがたくさん繁っているその木に入ったとき、木が生命まるごとやさしく包んでくれました。一瞬に感じたのです、やさしいを。そこから私は立ち直る経験をしました。はじめての経験は生命そのものをわかる経験だったので、その経験からオリジナル曲を創りました。愁い、悲しみが溶けていくはじまりでした。そんな経験があったのに、1部では、癒されて癒されて、気がつくと、頭が揺れ、下を向いているのです。とちゅう何回か、ガクッと頭が突然揺れました。どれだけ自然に反して生きているのでしょう。1部が終わる直前、傲慢という言葉になりました。 2部は先生の演奏を只々身体に浴びるようにお聴きしました。ずっとここにいたい、それしかありません。よけいな気持ちはすぐに消え、ただ共に今のなかにいるのです。愛の音をひたすらお聴きしました。
自然から生まれ、自然のなかで生きるしあわせ、いちばん望む生き方をわかりました。アンコールの手拍子は幸せで愉しかったです。