何もない心

みんなそれぞれ違う存在のまま、あるがまま受け容れてくださり、ひとつに溶け合う。真に人と人が一緒に生きていける空間は、何もないことを、いだきしん先生のピアノコンサートで経験させていただきました。

普段、どれほど二元論的な見方や、対象化の世界に身をおいているか、そしてあきらかにおかしいことはもちろん、一見良さそうに見えることにすらそまり、知らないうちに人と人を隔てることにかかわっているかを分かる経験となりました。どこまでもやさしいピアノの音にいだかれ、細胞の隅々まで温かくなり、何もない心、自然とともに生きる美しい生命に出会いました。

最近、一緒に仕事をしている農家さんや職人さんたちの、ただただ一生懸命に純粋に働いておられる姿に触れ、その在り方から生まれるものが、人の役に立ち、美味しい農産物や美しい手仕事となって現れていることに、いつも感動していました。一回一回のいだきしん先生のコンサートで、人が真に生きていける空間がひらかれていることを身に染み感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。先生、高麗さん、盛岡コンサートの経験をまことにありがとうございました。