自ら
有るときふと、私は何も産み出すこと、つくることをしていないことに気がつきました。人が作ったものを食べ、人が作ったところに住み、人が作ったものを着て、、、何も生み出していないなと。人は何かを産みだし、創ることによろこびを得る。
昔我が家のお味噌は、祖母の家でみんなで仕込みました。父や伯父は豆をドラム缶を切ったかまどで大量に煮て、母と叔母はひたすら豆をつぶし、子供達は豆と麹、塩を混ぜる。何日も前から祖母の部屋には麹の箱が積み重なっており、麹も祖母が作っていました。仕込んだ味噌は樽に詰め、持って帰って発酵させます。私は麹がたくさん入った祖母のお味噌が大好きでした。あの頃の匂い、楽しく温かな空気、喜び、笑顔が心にあります。
それを思い出し、何年か前からお味噌を自分で仕込んでいます。亡くなった尊敬する受講生の方のレシピで梅干しも作ります。今年は散歩がてら近所の神社で拾ったたくさんの銀杏を洗い、干しました。何かを作るということはお料理もそうですが、とても楽しく、こころが休まります。
表現することも、自ら言葉を産んで行くこと。本音を的確な言葉で表現できるようになりたいです。本日もありがとうございます。
後藤美香