歴史的な多賀城コンサート
「内面をお感じ下さい」というメッセージに、内面を感じて演奏をお聴きしていると、とても切ない気持ちになりました。今、高麗さんが書いてくださった先生のメッセージを読み、無視されたり、押さえつけられたり、他のものに置き換えられてしまった仕打ちにあった心、魂が私の内面、心にあり、だから切ない気持ちになったのかと感じています。先生のピアノの音は胸に響き、それも胸の中心に響き、遣り切れないほどの切ない気持ちが、とめどなく流れる汗で洗われ、溶けていきました。
二部では躍動感にあふれる演奏に魅せられながらも、何かに対して不安を感じていました。だんだんと頭が痛くなり、頭がきちんと働いていないこと、そして頭が不安を作り出しているのかと感じました。最後には「スタート地点に立った」という言葉が生まれ、真の自分を実現する道をこれから歩んでいくんだと気持ちが引き締まりました。
コンサートで経験することは毎回違い、事前に想像もできません。自分では自覚していなかった反応に戸惑うこともありながらも、自覚できなくてもあるものはあったのだ、解決の時を迎えたから浮かび上がってきたのだと分かります。心の奥深くにあり自覚もできなかったことが浮かび上がってくる、しかも解決に向かうとは、先生のコンサートの経験なくしてはできないことです。コンサートの貴重な一席に身を置けました事、深く感謝申し上げます。会場を出て見上げる月は、歴史的なコンサートであったと静かに物語っているようでした。
五十嵐泰子