大きなはじまりをありがとうございます。
仙台電力ホールコンサートの日、天候も時の巡りも尋常ではない気配のなか先生が会場にご到着されました。リハーサルのあと第一部のメッセージは「ゴルディロックス」とおっしゃいました。私は初めてお聞きする言葉です。「過不足のない絶妙なちょうど良さ」を意味する言葉としてさまざまな分野で使われていることを初めて知りました。大寒波が来ても何が起こっても受身ではなく迅速に動いて最も良い状況をつくること、本当の心地良いとはぬるま湯的な状態ではないから、どういうことなのか、ともおっしゃいました。先生のおっしゃる「ゴルディロックス」をわかりたく演奏の場に身をおきました。頭の理解など遥かに超える経験でした。高麗さんは氷の上でお母様が子守唄を歌ってくれている安らぎとおっしゃっておられましたが、私は透明な冷水の中、としか言いようのない体感でした。寒いのではありません。清らかな水と境なくこの身は透明に澄みわたり何もない瞬間。純粋な今、永遠、未来に貫く芯を、この身で知りました。東北センターの講座でお聞きした、存在と生成、のこともわかりました。何が起こってもこの中心があれば生きる場をつくっていける。ただ座っているだけで人生の根幹からひらかれる先生のコンサートに感動と感謝が溢れるばかりです。かつて仙台コンサートにて 「究極の光」「究極の愛」「究極の出会い」「神秘の地 宮城」…との御言葉が先生のメッセージにありました。コンサートの経験を重ねるにつれ宮城の地は特別な地なのだとわかります。高句麗ゆかりの地ともつながっているのでしょうか。第二部「愛を超える愛」これ以上ないある何かにつつまれました。今世界中が苦しい中でこの音を聞かれたら! 世界で生きる一人一人を讃え世界が待ち望む演奏にいのちの涙と感謝が溢れました。大きなはじまりの波紋、東北の日々を、まことにありがとうございました。堤 康晴