世界のギャップに倒れ込む
失われた言葉を取り戻すのが何より先決だという結論。
社会に合わせているうちに自分の人生が滞ってしまう。恐ろしい。手段と思っていることに振り回されて人生棒に振る愚かさも同じく、ひたひたと迫る死の足音を見る。少し離れているうちに自己はわけわからなくなり、自分と自分の間に隙間が入り魔が入り、言葉がわからなくなる。社会でちゃんとやっていこうとしているだけなのに、どんどん遠ざかる。狭く不自由なところに閉じ込められ、どんどん鈍くなり何も考えられなくなっていく。放っておくと自然と平気でそうなっていく。少し上手くいってもすぐに真でないと気付く。美しく生きると願って、長年身体に積もった中毒と戦う。戦えればまだマシだ。実際は戦いも出来ずにただカクカクと船をこき、食べるか寝るかそればかり。お金さえ手に入ればなんとかなると教え付けられた醜い魂。それすらも気付ければまだ良く、気付かずに一体化したまま死を迎える場合もあるだろう。
何か生まれてもすぐに忘れてしまう。やる気が生まれない。その間にも人生は確実に死という取り返しのつかない通過点へと向かう。下心だらけの命に天の鉄槌が下る。身についた品の無い習性はどんどん自分を、人をも巻き込みながら狭い方へ狭い方へと追いやっていく。一人一人それぞれの言葉を持っていることは、まるでそれぞれ色の違う翼を持っているように素敵なこと。それなのに敢えて棄てていく。言葉を取り戻す。
毎日毎日お腹が空く。毎日毎日塵が積もり汚れる。そしてその欲を醜く満たす供給に溢れた悪魔の資本主義社会。美しい人が美しいまま生きられる世に少しでも貢献するためには、この欲望と誘惑の海の中で、どう生きればいいだろう。こびりついた汚れの悪夢にうなされ、美しく生きることをやっぱり望む。醜いものを鷹揚に受け容れているうちに平気で調子に乗るそれらは、何を考えているのかわからないまでも、こちらの理想通りにだまっていて留まることはない。
真への命綱、いだき。そしてそこから生まれ出る言葉。実態の無いものに実態を与える言葉。力が欲しい。