北の地の温もり
不思議な世界が展開する東北のコンサートで、そこに完全に一致していける幸せは人智を超えた世界と感じます。頭中心の地上には戻りたくないと望む程に今までのいつとも全く違う音の響き方と豊かな体感でした。
自然とひとつ、宇宙とひとつ、人間の深い心に満ちたひとときをなかなか経験する事は出来ない世の中で、東北でのコンサートは人間という概念すら変わり新たに変容していくのです。
神と自然を中心に巡る宇宙の当たり前の在り方を全面的に経験させていただき、宇宙の神と東北の神々の語らいが聞こえる第二部でした。
ピアノの音は臓器の働きのように聞こえ、私の頭というものは介さず宇宙の一員である広い体を体感しました。
日本らしい月を眺める文化を盛岡で過ごし、何もかも赦されているように思える月夜です。
頭を介さずに音とひとつになることの心地良いことはこの上なく、深い心が人間と学びます。何か途轍もない感謝と喜びの内にあるコンサートでした。アンコールを経て今日生まれたような初めての心身となりました。常に新たな表現を、有難うございます。