黄金の宇宙樹
人知を超えたピアノコンサートを三鷹の地よりありがとうございました。
先生の存在とピアノの音は、神なのか、新しい神以上の世界があるのか、どうしてこのような世界をピアノで表現成されることか出来るのか、初めて先生の存在を前にしたかのようで、自分は無知であり続けていたのだと感じました。
一部ではくだらない意識に悩まされるような世界ではなく、なにもないようでいながら、初めての世界を経験させていただいているような、そんな中で突然頭ががくっと垂れ、はっとしたり、自分の言葉や意識のなかで覚えておける世界ではありませんでした。
唯、鮮明に覚えているのは、やはり感覚の表現になってしまいますが、ピアノの音がすべて光になり命と一つになったとき、黄金の木になりました。中心にそれはそれは大きな光の樹が立ちました。
1部のラストは、光の中心、黄金の木、新しい宇宙樹が。
2部では、神の世界が此処まで示され、顕されたと畏れを感じるときがありました。
子どもの頃、怖い話ばかり集めた童話のような本を父が読んでくれるとき、そこに描いてある挿絵が怖くてその本に触れられなかったり、仁王様の銅像の前を妹は普通に歩けても、子どもの頃の自分は怖くて顔を思いっきり背けて歩いていました。子どもの時から悪を意識づけていたのかも知れません。
いま、2部のコンサートで覚えているのは、コンサート後半、突然世界が変わり、命、生命、すべてが受け容れられて、ひかりのなかで母と共にいることができました。急に涙が込み上げて、どんなに素直に母に甘え、お母さんと言いたかったのか、自分の幼い頃からの欲求をみとめていく涙はしあわせでした。
ひかりと母と、黄金の宇宙樹が今もあります。