魂の目覚め
府中の森芸術劇場でのコンサートをありがとうございました。
第一部の開始直後は、幼少期の頃か、もしくは更にその前の生まれた時のことか、どこか懐かしさを感じながら演奏に聴き入っていました。しかし、その後は、体の緊張とともに心臓から腹部にかけて第二部の終盤まで苦しさを感じ続けました。演奏が進むにつれて徐々に体の緊張がほぐれていきましたが、心臓だけは苦しさが深くまで根を下ろしていました。すぐにコンサートの前に仕事でお会いした方から身に受けたものとわかりました。かつてのように魂を無視し命を犠牲にするような自身の仕事のやり方が原因と感じ、今後は決してやってはならないと感じました。苦しみは続き、その方の顔が何度も脳裏をかすめました。そして、もし運命から解放されたならば、この方はこのような苦しみから解放されるだろうに、とふと感じる瞬間がありました。すると、目の前が一気に開けました。そこには愛の世界が広がっていました。優しさに溢れた音の流れに全身を委ねながら、心臓の苦しみが空間に溶けて消えていくのを感じました。何かの多様性に豊かさを感じていました。そして、「魂の故郷」ということばが生まれました。第一部で感じた懐かしさでした。さらに、愛に満ちた至福の世界に身を置いていると、梅の花が咲く春の目覚めを経験しているようでした。そして、魂もまた目覚める、と感じたところで終演となりました。
ありがとうございます。