魂のふるさと

母と故郷に帰りたい。
そんな悲哀を、亡お母さんの存在と共に何とか叶えたい、と今の環境に大変苦しんでおられるお客様でした。今までの相談先は諸々の問題で入口から難しいと敬遠されている様子でした。他で断られるお客様こそ、難しいことこそ、自分がお役に立ちたいお客様であり心動きました。お役に立てるなら尽くしたいと力漲ってくるしごと。有り難くお客様もこちらの意に感謝して頂きました。霊感が強いとか見えない世界のことを話される方でした。純粋です。世間では敬遠される様子でしたが、むしろ私はそんな話しの方が話しやすいしお付き合いしたい方。そのままのことばでお話しできる関係は心地よい、お話ししているだけで元気が出てきます。昨日はじめてお会いするに至りました。

一緒に家を見に行くのに車で迎えて頂きました方と過ごす時間も心を満たしてくれます。前職時に新入社員として入社された方でした。「昨日で入社してからちょうど満15年たったんです。」と嬉しいお話しでした。時を重ね、また再会できる時は心を満たしてくれました。家は見る前から、決めたいと言われていました。玄関入った瞬間に「ここ決めます。」とそんな方でした。家の内装や佇まいや眺望にも終始感動され、引越し後の生活を自ら想像されていたようです。手続きを進めたいご意向から書類に記入される時、「母は亡くなったいるので契約できないけれど、本当は母の名前で契約したい。それが今の私の気持ちです。」と気持ちのままに云われました。びっくりしました。そんな風に言われるお客様は初めてでした。なんて素敵な表現。ことば、表現ってすごい。また、その方が書かれた字を見ておもわず「字きれい！」と言ってしまいました。お客様も喜び驚かれました。字をみた後になぜか涙あふれていました。不思議です。字は体をあらわすと云いますか、字に存在を感じました。お母さんから一字一字をきちんと書かないと叱られた幼少の頃のお話しを嬉しそうに話されました。お母さんのご実家は料理旅館を営まれていた等話しは尽きません。表現したいおもい、ご先祖さん皆様のおもい、溢れているように感じます。人のきもち、見えない世界のこと、宿っている共に生きている存在、空間って凄い、生命のちから、神秘に惹かれます。

今、ご本人様は介護のご相談をフリーでされています。介護の職場時代は、現場でお料理を提供されていたと。一緒にはたらく方々や入所者さんにとても喜んで頂いたエピソードを楽しそうにたくさん話してくれました。「愛」、この方は愛ある料理を提供されていたんだなあと合点がいきました。身体わるくする病院食が当たり前の社会で、愛ある料理を食べられる入所者さんは幸せとおもいました。愛ある料理がそれぞれの地域で広まってほしいと希望をいだきました。豊かな社会は近づいていると想像できます。未来をみんなでつくっていく。

愛、存在、出会い。
ご先祖さまの存在と共に、ずっとお話しに花咲き、笑い、涙しました。こんなに素敵な今をすごすことができ感謝いたします。こんな風に仕事で社会にお役に立てるなら本望です。こんなはたらき方ができるとは、はたらき方が変わった、お客様との関係、感じ方が変わったのか。存在と存在が出会う、を経験します。時代が、社会が、お客様の動き、現象がずいぶん変わってきたように強く感じます。みなが本音ではなす社会は豊かな社会、生命潤います。ありがとうございます。