魂のかおり
かおりという言葉は高麗さんの表現があって知りました。実際に鼻でかぐ匂いという言葉では表せないもどかしさがかおりという言葉でなら表せるのを知ったのです。ときめくときに、まるでセットのようにかおりと懐かしい感覚が空間のなかにあり、知らないのに知っているような気持ちが現れます。ずっとずっと前に、自分の内面を詩で表すときにいちばんはじめに表現したかったことがかおりでした。当時はまだかおりという言葉は知ってはいても知らないのと同じでした。ときめき、匂い、空間、言葉にすると恋となりました。詩で表現したかったのは男女の恋とは違うのでけっきょく言葉にすることはできませんでしたが、ちがう表現で内面を表しました。
この経験があっても魂とはっきり結びつくことがないまま幻のコグリョカフェで書いていただいた魂という一文字。私にも魂はあったと浅い次元で受け止めていたことにKeiko Koma chの講演会でお聴きした、かおり、懐かしさが、自分のことにも結びついたのです。ずっと、なぜ、懐かしい気持ちになったり、かおりがするのだろうとありながら、そしてそのときめきが自分の原動力となり、新しいことに出会えていくのに、深く考えてはいなかったのです。
魂と感じてはいても、思いなのかも知れないという頭の悪さがあるからでしたが、かおりと懐かしさとときめきが、やっと、魂という一文字になります。
あるとき散歩へと外に出たら、突然懐かしくてならないかおりに誘われるようにし歩いていると、各お宅の玄関や庭の花々と出会うのが楽しくてならなくて、ときめきながら歩いていたときに、建設中の大きなマンションの植え込みにたくさんの花が咲いていました。突然その花々が私に向かって飛び込んできたのです。一瞬の出来事だったので、もしかしたら錯覚かも知れないと、一緒に歩いていた旦那さんには言わなかったですが、なにが起こったのか今もわかりません。新しい出会い、出来事には必ずときめきがあり、恋するようなかおりがします。