顕われ
盛岡でのあまりに素晴らしいコンサートをありがとうございました。
先生が会場にご到着されたとき「今日が誕生日」とおっしゃったのをお聞きして、はっとしました。どういう意味かわからないまま、すぐにリハーサルがはじまり、かつてない表現をなさろうとされていることが伝わってきました。
第一部の開演メッセージのタイトルは
「 2021 6.30 盛岡コンサート 」
とお聞きして、凄い、、と身震いしました。何かものすごく特別なコンサートなのだと、ただそれだけはわかりました。
コンサートがはじまり、一音一音そのままあらわされていく演奏に、いったい何が起こっているのかとまどい、澄みわたる空間にただ固唾をのんで身をおきました。幽玄で美しく、しだいに命のひだまで感じるひびきに、からだは本当はこんなにも繊細なのだと自覚します。体の奥にそのままひびく音に今までの自分の頭も何もかも無効で何もかもが解けて、解けていきます。「ただ一点より光が広がり輝く生命です」と前夜いただいたメッセージのまま広大な空間にひらかれていきました。先生の顕われを感じました。先生が今までよりもさらにそのままあらわされる日がきて、存在の顕われは、やさしくて荘厳で神聖で、その舞台に、世界中の誰もが本当は一番会いたいであろうありえない方にお会いしていることを感じました。そして、ここにおられるかけがえのないお一人お一人の存在、全員を先生に会わせてくださった高麗恵子さんという存在、先生が顕われる時にすべての存在が顕われ極立つのをみました。
開演前、先生はリハーサルと調律をくりかえされながら「今日が出発の誕生日」「タイトルは『盛岡コンサート』」とおっしゃいました。メッセージの御言葉にありました世界のなかの日本のなかの盛岡。東日本大震災があった東北の要の盛岡にて、もの凄い6月の最後に、大きな大きなはじまりのコンサートをありがとうございました。先生。高麗さん。ありがとうございます。どれほどの御方にお会いしているのかわからせていただく日々のなかで、今までの経験を活かし新しく生きて世界に向かう銀河鉄道に乗り込みます。堤 康晴