迎賓館の経験
迎賓館は特別です。
高麗さんがお迎えくださり、先生の淹れてくださったコーヒーを、高麗さんのおっしゃるようにお神酒のようにいただくと、とろりとして濃厚な果実のような味わいが広がってきました。
先生がお話しくださいました、頭によって死んでいくと言うことは、徐々にわかり始めていくと、恐ろしく感じるとともに、不気味でもあります。いつも同じ事をしてしまう、また、同じことの繰り返しが問題と考えない以前の私は、変化を好まない類の人間でした。周りを見て同じであれば却って安心する、前に進まない頭は、幼少期より形成されて来たのだと考えます。いだきに出逢わなければ、周りと一緒に終わっていく流れに乗っている事に気づくこともなかったでしょう。
ノンペダルでの演奏についてのお話は、実演も交え詳しく説明してくださり、迎賓館と言う空間で間近に拝見でき、ありがとうございました。新たな経験となりました。
通常のペダルを使われる演奏とはやはり違いがあるのを感じられ、音が次々蓄積されていくようであり過飽和のようになった時、ある音にて一気に膨張するエネルギーへと変換し内側の空間が拡大しました。
終演後、コンサート中は座っていただけにも関わらず、そのエネルギーに身体がついていけず、一見ぼーっとしているようになっていました。
帰ってきての楽しみは、もう一つの迎賓館コンサートを、サウンドシステムで聴くことです。
迎賓館は本当に特別です。
ありがとうございました。