恵み

ひとつで向かい、ひとつに動く、無上の喜び。何事もなく無事に迎賓館コンサートが遂行されますようにとあらゆることをお考えになり備えてこられた高麗さんの御心に沿えるよう、一人一人でありながらひとつとなり向かう山道。４月２５日、ロシアで開催される予定であったコンサートがどれほどのことかを日本でこのように迎えることとなる中で深くわかり、一席に着かせて戴ける恵みに人生を考えながら、開演を静かに待つひとときの尊いことに自然と頭が下がります。
そして演奏が始まり、怒涛のごとく注ぐ光、光、光、もう時間軸はなく、身という境もなく、とてつもなく・・・。ある一瞬、たくさんの方々とぎゅう詰めになりながら演奏を聴かせて戴いている体感に、いつの間に大勢の方がいらしたのかとハッとして辺りを見ました。その場には間隔をあけて静かに座る人達より居られませんでしたが、場を超えてたくさんの方が聴いておられるのだと感じ、代表で身を置ける恵みに深く感謝いたしました。あっというまに終演となり、なんと演奏後にもいだきしん先生がコーヒーを淹れて下さったと伺い、喜び頂いた聖水のごときコーヒーの身に沁むことかぎりなく、また人生を考えるのです。そして高麗さんのビデオ講演会までも迎賓館の空間で聴かせていただけ、この度改めてこの迎賓館という場がいかなる場か、どれほどの空間か、受けとめ考える機会となりましたことにやはり深き感謝が溢れてくるのです。お会いできること、コンサートに参席できること、それらがどこか当たり前のようになってしまっている中ではわかりようもないことがあると確かに気づくのです。
時の尊さに目覚め、新しい時が動き始める今このとき。尊い尊い一日を、心よりありがとうございます。本日もよろしくお願い申し上げます。