調律とメッセージ
コンサート当日、先生は開演時間の6時間ほど前に会場入りされることが多いです。ご到着されるとすぐにリハーサルです。本番に向かいリハーサルと調律を3回も4回も繰り返してゆかれます。ピアノという楽器はとても繊細で、きのう鳴っても今日は鳴らないこともある、お客さんが入るだけで変わる、鳴らない日でもお客さんが入ったら鳴る日もある等々、同じ会場の同じピアノでも毎回ちがうとおっしゃいます。リハーサルと調律を繰り返しながら、その日表現するテーマをあらわすためのサウンドづくり、先生が表現するための一番いい響きをつくってゆかれます。そしてリハーサルと並行して開演メッセージを作成されます。その日先生が表現するテーマを言葉に表していかれます。自分の表現(言葉)の幅でしか経験は起こらない、「言葉」を知らないと今までを超える神秘体験は起こらない、だからメッセージの先生の言葉を聞いておくことが必要、とお聞きしました。
コンサート本番よりも長い時間をかけて先生は音づくりをされメッセージをつくられ開演の時を迎えられます。昨日のコンサートでは4回調律を繰り返し「今までで最高の音に仕上がった」とおっしゃいました。
高麗恵子さんの御声で先生のメッセージが心身にひびきコンサートがはじまります。世界が待つ いだきしん先生の登場です。本日もどうぞ心よりよろしくお願いいたします。堤 康晴