被災地での3月11日
未曾有の津波が襲った沿岸の距離は約500キロです。毎月京都から東京まで数時間かけて運転いたしますが、その距離に等しく、未だに信じられない気持ちでおります。前夜から雨が降りしきり、灰色の空が広がる仙台でした。午後2時46分が近づくと、雨も上がり、薄日が差してきていました。ちょうど結工房にて、高麗さま、先生もいらっしゃる空間で黙祷を捧げさせていただきありがとうございます。サイレンの音が時を告げる間も、その後も、しばらくの間全身が凍りつくように冷たくなり驚きました。語らずとも、気持ちひとつに居られる仲間たちと過ごせる大事な時は有り難いです。その後結工房の窓の外には、ランドセルを背負った子供達が下校する姿がありました。震災後に生まれた子供達です。毎日、マーブリングの光の横を通って、元気でいてくださいねと心の中で語ります。
結工房に到着した時は、克哲さんのやさしい笑顔に迎えられ、高麗さまはいつもと変わらぬ笑みでお迎え下さいました。ビデオ講演会にて、激痛が走っておられるとうかがったときにはとても驚き頭が下がりました。明日の仙台でのコンサートが救いであり、いかに重要なコンサートとなるかをお話の中でもよくわかりました。この日の為に焙煎して下さり、コーヒーを淹れ続けて下さった先生、いつも本当にありがとうございます。身体に負担にならない洋菓子と共に、最高の珈琲を頂きました。活き活きとお豆が生きている立体的な御味と香りに感動しました。
被災地に身を運ばせていただき、3月11日という日を現場で過ごすことは大事なことでありました。
結工房一周年、本当にありがとうございます。
横断歩道を渡ってきた御高齢の方々が「あぁ、一周年なのね」とにこやかに語り合っておられた御姿が印象に残っています。
特別焙煎のコーヒー豆を、御好意で販売して下さり、誠にありがとうございます。3月12日、仙台でのコンサート、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございます。