美しくなる
先生、高麗さん、ご同行のみなさん、ウラジオストクからおかえりなさい。美しいギャラリーのプレオープンをありがとうございます。
この週末は時間に追われっぱなしでした。約束のお相手の時間に遅れないよう必死で動き続けていました。
大人同士で話していると、幼子が見てほしいものを持って近づいてきました。大人との会話を中断し、その子の声を聞いてその見てほしいものを見て言葉をかけました。その数秒、その子とピタッと合う体感がありました。その子の目が輝きました。
昨日、同居の義理の母が押し絵の個展をしました。まだ23歳の訪問看護師さんが、日頃、趣味が高じて本格的に仕上がっていた数々の押し絵をぜひ地域のみなさんに見ていただきましょうと提案、企画、そして昨日は会場設営から接客にカメラ撮影まで、看護とは関係ないからとボランティアでしてくださいました。私たち家族は彼女に甘えるだけでした。
まだ新築のような会場のきれいなお部屋に母の作品が並びました。近くのサービス付き高齢者住宅の入居者の方もお客様で来てくだり、「わたしら何もやりたことさせてもらえない。なんでもお金がかかるからダメと言われる」とぼやきながら、母の作品ひとつひとつに「あら~すてきやね」と目が輝いておられました。ボランティアしてくださった看護師さんが一番狙っていたのがそんな瞬間でした。ちゃんと写真に収めていました。
母もお客様も美しくなっていました。
ピタッと時が合う瞬間に目が輝きました。そんなとき人は一番美しくなっていました。