続き
電力ホールはピアノコンサートには最適な会場ではないと感じてきましたが、今日は第一音から、音が光の珠に見え、とても立体的でした。同じ会場でこんなにも音が変わることに大変驚いたのでした。目の前にピアノの音は愛の珠となり、在るのです。迫力に満ち、美しい空間が広がりました。今までも東北の大地をそのまま感じたり、北の大地を流れる大河の流れの音が聞こえたり、東北の地の源の光、最も澄んだ清らかな光を感じる音、他の会場では聴くことのできない歴史的なロマンあふれる音を聴かせていただきました。震災後に初めて私の講演会を開催した時、目の前にある森が輝き、恋しい香りが漂いました。その香りを言葉にあらわすなら、青春の香りでした。会場には学生がブラスバンドの練習をしていました。私も学生と錯覚し、人生これからと感じ、心がときめいてなりませんでした。その時の香りが漂う演奏もお聴きしました。兄が亡くなる前に、大変厳しい状態であった兄のことを気にかけ、仙台での動員活動に来た時、台風の影響で、風雨激しい天候でした。ボランテイアミーテイング会場の下には広瀬川が流れていました。その川の流れの音が魂の声に聞こえ、兄の分まではたらこうと気を取り直し、活動させていただいた時のことまでも電力ホールでのコンサートでは表現していただいたと感じる経験をさせていただきました。ここでより聴けないなんとも美しいロマンあふれる演奏をお聴きする時、私は会場の一席に座らせていただいているだけで幸せを感じました。今までも他にない素晴らしい経験をさせていただきましたが、今日の音はまた全く変わり、こんなにも音が豊かで深いことに最初から感動していました。その一音は愛とわかったのです。先生は一瞬一瞬愛を表現してくださっているとわかります。次はもっとたくさんの方々にお越しいただけますように仙台高麗屋、結工房を拠点とし活動していきます。ありがとうございます。