私の時間

携帯電話は出てきませんでした。時計代わりに携帯を使っていたのが間違えていました。バスの中でお落したことは確かですがお探しサービスを使うとバスの経路から外れところから最後に電波が発信している。バス会社にも警察にも届けたけれど見つからないのです。わずかな「つて」からたどってやっとまわりまわってやっと娘と連絡が取れましたし、連絡をしなければならない方々とも連絡が取れました。

昨日の夜は連絡が取れない娘の家に歩いて出かけました。自転車にも乗れない私には歩くことしかありません。娘も息子も高知のおばあちゃんの家に行っており留守だったのですが、知るはずもない私は橋を渡り、海と空とが溶けるような美しい日没とをライトアップされたおおきな橋のアーチをを間近に眺めてひたすら歩きます。やっと重いものから解放されるかのような連休中の賑わいも感じながら。連絡できないということはとても不便ですが、この美しい光景を眺められたこと、ひたすら歩くことで足が痛いといっていられない体も変わったようです。帰ってきたときには、慣れてしまった便利さと頑固な頭の悪い状態とがきれいに壊れていったようです。今朝も早くからケアの仕事に行くのに電話でなく小さなアラーム時計をカバンに入れていきました。どうしても時間は必要ですが今までと違う流れができたように感じます。見渡せば美しい芽はどんどん伸びています。刈り込まれた形以上に色とりどりにたわわに咲くさつきも、朝挨拶する野の花も、自然は世界中と命が繋がっている。

人の決めた時間に左右されることのない私の時間で生きていきます。携帯も生き方も新しくします。まだ世界には私の知らない悲しさや苦しい状態がいっぱいあります。思った通りにはいかないけれどそれを乗り越える力を何時の時もありがとうございます。