神秘なる世界への鍵
京都での存在論をありがとうございました。
時間をテーマにした内容に興奮いたしました。昨年の対談で時間のお話しを拝聴して以来、時間は神秘なる世界への扉の鍵ではないかと感じていたからです。
まず、一般通念としての時間がわかりました。存在としては過去も将来も無く、「今」より無いというお話しからは、これまでの仕事で経験してきたような、背景と現状を把握したうえで、今後の方針を決める、という世の中の意思決定のパターンを、理論として初めて確認することができました。
一方で、新たな発見もありました。「今」を人との関係の基本とするカウンセリングのお話しからは、今、過去や将来のことでフラついていないか、今の時間をどうするかなど、時間の考え方を内面にどのように応用すべきかががわかりました。
さらに、一般通念を超えた時間のお話に感動しました。まず、現存在の時間には広がりがあり、転化と呼ばれるこの状態を、コンサートの中で私たちが体感しているとのお話があったからです。
また、イデアのお話しからは、今と瞬間の違いが「覚悟」によるものであることが、目から鱗でした。さらに、覚悟する人は、自己を超越する存在の働きかけがある時、今と瞬間との違いがわかる、というお話しからは、何度か不思議な経験をさせて頂いていた時の状態を思い起こすとともに、今、自分は何に対して覚悟ができているだろうかと、今後も問い続けるべき素晴らしい問いを頂いたと感じました。
なお、資本主義の幻想について、とくに、人の役に立とうなどというケチな幻想の中で生きないように、というお話しからは、今の世の中がいかに幻想で埋め尽くされているかがわかり、あらゆることに対してよほど注意深く見極める必要があると感じました。
自分で勉強したら膨大な時間を要する、もしくは永遠に答えに辿りつけないかもしれない、時間についての貴重なお話しを頂き、とても大きなお年玉を頂いたことに感謝の気持ちで一杯となりました。
京都での3日間をありがとうございました。