祝福の銀河鉄道
先生のお体もピアノも割れてしまうのではないかというほどの轟音、土の中で蠢く何匹(頭?)の竜がのたうち回って、空へと抜けて、見たことのない暖かくて優しい光を全身から発して大きく飛ぶ。姿は強くて気品があって、その体自体が鉄道と融合してどんどん走っていく。大きくて大きくて、私がみたこともないくらい全体に溶け込んでいくので、目で追おうとするのではなくて目を閉じて、自分の内面を感じることでそのスピードに追い付いていく。直に土の香りを感じる演奏、一つ一つ丁寧に隙間なく積み重ねていくこの土地の優れたいのち。盛岡コンサートをありがとうございます。
応用コースでお話のあった「世間」。ご紹介いただいた対談に目を通し、以前ご紹介下さった川島 武宜先生の『日本人の法意識』にもつながるところがあると感じます。川島先生のご紹介の際に出た話だったか、まったく違うときに出た話だったかは忘れてしまいましたが、以前は「公(パブリック)と私(プライベート)」をわかっていない、というお話があり、その時「あぁ、私はそこのところ、まったくわからないわ」と自覚しました。世間と社会の話と少し繋がるなと思います。そしてそれから数年たった今は、社会性を身に着けるべく格闘中ですが、やっぱりどこまで人に平等に接すれば良いのかとか、けっこうわからないところが多いです。
社会と世間は違うことなどはぼんやりと感じていても、言葉でお聞きすることがなければなかなか明確になりにくかったです。世間というものは嫌だなと感じて生きてきましたが、さらに私に関しては、その世間を勝手に作り上げて勝手に怯えている節もあるのではないかと疑っています。日本人には昔昔から持つ良い気質がありますが、それがそのままであっては生き延びることはできず、新しい時代へと生まれ変わって、未熟から成熟へ。新しく人間として生きて飛躍していく芽をつぶすような側面は駆逐し変容させ新しいものを創り上げていく。