無邪気に
会社で大型連休の対策を考えたにも関わらず、メールが一瞬に消えました。瞬間、頭が真っ白となり慌てふためき、何を自分がしてしまったのか分かりませんでした。会社を出ながら、あんなに時間をかけて考えた文面を消してしまった自分を責め嘆いていたら、右のこめかみが疼き始め胃も痛み始めました。最悪だと思いつつ高麗屋さんに到着、気を取り直して既に始まっていたロシアドキュメンタリーサロンを拝見しました。まだ痛い頭と胃を感じながら、他人に気を遣いながら打っていたメールの文面だったと気づきました。文句を言いそうな人の顔を浮かべながら、必要以上に気を遣って作成したメールだから、頭も胃も痛み一瞬にして消えたのだと、ふっと見えたのです。映像はロシアのまるで異なる次元が映し出されています。名誉ピアニストの方が、琵琶湖周航の歌をピアノで奏でる美しい響きに魅せられました。そうです、私はこのピアノの場面を聴きたくて、楽しみに心待ちにしていたのです。サロンでも話しましたが、先生のピアノを聴かれた後のピアニストの姿が、正に居ても立っても居られないその振る舞いが、あまりにも素直でそのまま身体が表現しており、その後のピアノの音色の表現となり伝わります。ロシアの方たちとのリズミカルで素早いテンポも小気味よく、「そうだよね。そうでなきゃ」と、武蔵野のコンサートの手拍子の時のように心弾み、無性に嬉しくマスクの下で笑っていました。「何をちっぽけに気遣い生きているんだい? もっと愉快に、楽しく生きたらどうだい?」そんな声が聞こえてくるのです。一瞬にして様変わりする魂の表現とは、こういうものかと魅せられました。私もピアニストのように、無邪気に素直なまま表し、生きたいです。また、ロシアの方と通訳の方と高麗さんの声が一つに交わり、弾けるように笑う高麗さんの声が更に空間に広がる時、言葉を超えて光が交わる未来に見え面白かったです。と同時に、魂を失った日本人として自分の事を考えると、中心がないという事を考えてしまいました。改めまして、先生のピアノは世界を変える世界戦略であり、高麗さんのスピードと弾ける笑い声が嬉しいサロンをありがとうございました。