深く考える時間

応用コース特別編に参加でき、感謝いたします。久し振りにアンフィニにお伺いしましたが、ここは迎賓館と同じく特別な空間であると感じます。先生と、この近さで同じ空間に居させて頂けることは、ありがたい限りです。ピアノを聴きながら、桜吹雪が舞う中で、大勢の子供たちが家族と共に輝く笑顔で笑っている姿が目に浮かびました。この姿を取り戻さなくてはいけない。今やる事は何かと問うていました。

土曜日の夕方、強い風が吹き荒れる中、突然思い立ち裏山に出かけました。忘れられない愛犬との思い出がある裏山は、桜並木の名所です。ところが行ってみたら、あまりのショックで胸が痛くなり立ち竦みました。それは、人が閑散としていることや、大半の桜が既に散っていた事ではありません。桜のトンネルを作っていた枝が全て切られ、並木に立つ桜の姿がまるで手足を失ったかのように見えたからです。どこまでも続いた、あの美しい桜並木を今年も見られると信じて疑わなかった自分に狼狽えました。
昨年の春は私一人、亡き父と愛犬に胸の中で語りながら、満開の桜並木を歩きました。今年の桜は、あまりにも悲し過ぎます。次の新しい生命に引き継ぐように、太い幹に咲く小さな桜の花を眺め、人生を考えます。当たり前のように巡ることなど、何一つないのだと思い知らされたのです。先生のピアノが美しい桜吹雪のごとく降り注いで、音が止みました。

「Daimon」言葉の響きと同時に、体の内に波紋のように広がる、この感覚は何でしょうか。先生の話される世界に引き込まれていく不思議な力の中で、先生が問われた「Daimon」真っ先に浮かんだのは、手術前夜に不意に襲った死への恐怖と、先生に救って頂いた生の光です。死と共に生を経験し、生きる力が湧き起こったのです。更に辿れば、いだき講座を受講する前に、神楽坂で行われた先生のピアノを初めて聞いた時の衝撃は忘れられません。全身を逆なでされたかのような、居てもたってもいられず外に飛び出し、人を殺したくなるような衝動に駆られた、生まれて初めての強い衝動。「高句麗」のコンサートでした。その後、暫くしていだきを知ることとなったのです。今、私はアンドロメダエチオピアコーヒーを、一人でも多くの方に知ってほしいと考えています。

「今、この時だからこそ考え、物事を正しく分かること」先生と共に過ごす深い時間です。オンデマンドで更に聞かせて頂けることが、大変ありがたいです。ありがとうございます。