KEIKO KOMA Webサロン

母との経験


変形した膝が痛くて、あまり歩けなくなった母を何とか気分転換に、近場の温泉旅行へ連れて行きたいと計画していました。89歳になる母の5月の誕生日祝いもコロナ禍でできず、10月は亡き父や愛犬、そして私の誕生日もあり皆でお祝いと考えていたからです。ですが、母からは「気持ちだけ頂く」との返事に、正直がっくりしました。理由は、足が痛いことと私に迷惑をかけるからでした。そうであるなら、せめて旅行気分で1泊できるごく近場の温泉施設を提案し直し、楽しみにしていたところ、今度は涙声で「キャンセルしてほしい」と電話が入ったのです。旅行の為に、銀行に雨降る中お金をおろしに行った際、滑って悪い方の足を打ち、腫れているとの事でした。直前の出来事に、言葉も出ませんでした。ここ数年、必ずと言っていい程ドタキャンが続いていることもあり、つい頭にカッときてしまい喧嘩となりつつも、やるせなくてお互いに涙声となります。起こってしまった事は仕方ないことであり、痛い思いをしている母を思うと辛いながらも、だからこそ気分転換に家の外に連れ出し、楽しい気分を味わってほしかったと頭の中は愚痴だらけでした。一晩寝た翌朝は、頭の働き方が変わっていました。どうしても諦めきれず、母の負担にならない過ごし方を考えていました。先ずは、予約をきっぱりとキャンセルし、ネット検索をし始めたら実家の直ぐ近くに、とても素敵なイタリアンレストランを見つけたのです。これなら、家からタクシーで行けます。直ぐに母に伝え、お店に連絡するとギリギリ今晩なら予約できるとの返答。急遽予定を変えて実家に帰り、亡き父と愛犬の写真と共に、家族4人でお誕生日のお祝いができたのです。シェフは日本一のマルゲリータと掲げている通り日本チャンピオンになられた方で、500点満点のマルゲリータ500は食べたことのない味で感激です。更に、お誕生日祝いと伝えていたら、ドルチェのプレートとキャンドルの演出がお洒落で、思わず涙ぐみました。あたたかなご夫妻のおもてなしの中で、家族4人のお祝いができ、嬉しそうに笑って写真に写る母を見て幸せです。災い転じて福となすを経験した夜です。

翌朝、私の誕生日に庭に出ると、亡き父が植えたプリンセスミチコの薔薇の蕾が、光の中で輝きながら風に揺れていました。父に、愛犬に語りかけ、感謝の思いに溢れながら応用コースへと向かいました。上手く言えませんが、先生のピアノは何もないままに、そのまま伝わってきます。受講生の方とのやり取りも、そのまま聴こえます。おばあちゃんたちと石和温泉に行かれるまでの話も、前回のお義父様との話と同じく、何度お伺いしても正に目の前で展開されているかのように目に浮かびます。動機が何であるか。手段ではないということが、前日の母との事もあり、よく分かりました。更に、軸をしっかりすること、骨の話は母の事を考えると希望です。「歩けなくなっちゃった」と泣く母に、「諦めることはない」と早速電話で伝えました。私自身も歩き方から変えました。変えていけることの喜びに溢れています。分かることと動くことは同時であると、誕生日を前に経験でき何より嬉しいです。ありがとうございます。

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アレクシーさんとフィアンセです。
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