春風
今日は、目が覚めた瞬間自分が今どこにいるのか、いつの時に生きているのかすっかりわからずしばらく考えました。春風が吹いていました。この風は、高校生の時に吹いていた風です。JR吉祥寺駅を利用し、吉祥寺を庭の様に遊んでいた中学時代までと変わり、京王線の各駅停車を利用する高校時代となりました。のどかな田舎町の駅の様な空気漂う駅前には、アートコーヒーと立ち食い蕎麦屋さんよりありませんでした。小さな改札を通り、階段を降り、電車を待つ時、見上げる景色は春の草花が咲くのどかな春の風景です。その時吹いていた風が蘇える今日です。早くも花粉症の症状も現われ、一気に春が来たのでしょうかと集う仲間達と話していました。京都比叡山での年末年始には14歳の時の春風が吹き、今は、高校の時の春風が吹き・・・。いつも春風と共に生きてきた人生です。先生にお会いする前は、春が来るから生きていこうと、どんなに辛く苦しい時も必ず訪れてくれる春を希望と生きてきました。やっと真の春が来る兆しを感じる今日の春風です。自分の存在を問い続け、この世で生きる事を深く悩みながらもいずれの時には人間の真がわかる時が来ると希望を失わずに生きてこれたのは、この春風が吹いていたからです。
私が新しい春と呼ばせて戴いています、先生が創られた新作の器にてコーヒーを頂いてから、銀座ヤマハホールに向かいたく淹れさせて戴きました。ちょうど克哲くんもいたので、美しい生命には美しい御方の魂現わるコーヒーを・・・と感じ、わずかに残っていた「12月24日全い」コーヒーを淹れさせて戴きました。見た目も美しく、見ているだけで心の中に春風が吹きます。頂いた瞬間、春が来たと叫んでいました。この上なくまろやかで、やさしく、美しい、真に「全い」お味でございました。
私は、昨夜憤りを感じる感覚が抜けていったのです。今朝とってもぐっすり眠れ、目覚められたのです。真の春が近い事がうれしく、今日のコンサートに向かわせて戴きます。ありがとうございます。