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月兎 寓話


昔々あるところに慌てん坊のうさぎがいました。目先のえさにつられて飛び出してしまったり、巣の場所がわからなくなったり、失敗ばかりしていました。ある時何でも見える王様と神様に出会いました。

初めて神様に会って自分が空に輝く星のようにかけがいのない光だったことを取り戻して頂いたのです。それからは今まで食べ物であった草原も、湖の水面の煌めきも、空を渡る雲も、今まで見たことのない光で溢れています。神様や王様が言っておられる言葉はよくわからなくても見る世界がまるで変ったことが全く違う兎になったようでした。いろんな草原にも行くようになり思ってもみなかったような広い世界が広がっていました。信じられないところに素敵な草原が在ったり。思ってもみなかった別の種類の仲間に助けられたり。今まで苦しんでいたことが消えてしまっても目先の餌に飛びついたり、慌てて飛び出したりする癖残っています。こんなにすばらしい神様のことをほかの生き物に知らせようとしましたが兎は言葉を発することができない。伝えることがむずかしかったのです。

ある日叢と思って足を踏み外して深い穴に落ち込んでしまいました。その時神様が一緒にい下さり深い愛で包んでくださったのです。命助かりました。ですがまだ草を十分に得ることができなくて。神様を知っている仲間や家族の助けで生きてきました。時には気付かぬうちに誤魔化しとぼけて。それでも兎には夢があります。いつの日にか月に住む兎となること。月を見上げては憧れていたのです。苦しんだり寒い思いをするいのちに温もりがありますように、と。そしてあらゆる命が一つになれることをみんなで集い経験したのです。それは世界中に、月の世界を超えて宇宙までも広がってゆく経験でした。それでもまだまだちっぽけな草むらに足を踏み込むような間違えたことをする隙がある。ある日神様の言葉が聞こえなくなってしまいました。大きな耳をそばだてても。それは本当は聞きたくないからでした。必死になりすぎて却って隙だらけであった飛び出し方を、神様にそのまま伝えて聞けばよいのです。無理や無駄を置いていきなさいと神様は言われました。まだまだ月の兎になる道は遠いけれど一筋に向かって行こうと。神様の顕れる世界には、飛びはねてどこへでも行くことに決めたのです。力強く飛び跳ねられるように。もう助けられるだけの弱い兎ではありません。王に導かれ、一つに。。

ありがとうございます。

 

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