愛の洗浄

泡で体内を洗浄される美しい演奏は、去年『化身』というテーマのときに感じた体感と同じで、また『戦いの奥義』もよみがえりました。体内の聖なるいのち清められ新たな生命となっていく心地よさに時を忘れました。後半で体がだるくなり背筋を伸ばしていられなくなりました。自分でもそうなので、これまでコンサートへ来たことの無い方などはもしかすると椅子に座って演奏を聴いているだけでも相当しんどいかもしれません。それだけこの世とは掛け離れた演奏です。

いつの間にか、あっという間に、自己憐憫、自己卑下、罪悪感などの波に呑まれていき、ありのままに相手や世界を理解しようとできなくなります。思い込みで見ていきます。自分に都合の良い思い込みであろうが、都合の悪い思い込みであろうが、どちらにしても自分の思い込みばかりで相手や世界のことをわかろうとすらできていないことに、どうしてこうなってしまうのかという気持ちが長年の苦しみの総決算のように浮かび上がります。だから自分自身の本当の姿もわからないと、無駄に眉間に皺を寄せずコンサート後のこの感じを大切に忘れずにやっていきます。

世界の平和ということについても随分と思い込みで見ている気がします。