帰り来ぬ故国の風
訪れたこともない地にも関わらず生命のうちにある遠き故国のように感じる地の風を新宿文化センターでのいだきしん先生によるピアノ、パイプオルガンコンサートの一席座り体感します。いだきしん先生の演奏される音に身を置くひとときに、まるで目の前に頂に少し雪を残した天に程近くそびえ立つ青い山々、乾いた土色の大地、ターコイズグリーンに輝く雪解け水の流れる河の流れの音、街道にはポプラや糸杉が風に微笑みかけるように揺れ、白い杏の花びらが風に舞う光景が心に蘇るが如く深く沁み渡ります。春が訪れる時が近い予感を心から感じ、今朝外に出ると師走とは思えぬ新しい春の日差しと光に満ちていることからいだきしん先生や高麗さんのなされている働きに触れます。心よりありがとうございます。
井波 晃