存在から新時代へ

8月7日　府中の森芸術劇場でのコンサートをありがとうございました。

第1部、2部を通じ、自己の存在を抜きにしては未来はないと改めて感じました。日常において、気を許すとどれだけ自分の存在以外の事柄から物事が出発してしまうことか。歴史的かつ社会的な支配構造を背景に、人間はいつの間にか己の存在を全うする機会を奪われ、運命に翻弄されたままで死を迎える生き物となり、そのことが一部の勢力による支配を磐石なものにしているものと感じました。そして、その支配構造の原因が人間の運命にあると考えると、先生が運命を超越する過程において、目に見えない勢力との想像を絶する激しく熾烈な戦いが繰り広げられたものと演奏中に感じました。その点、2日目で運命が解決された私たちの命は、運命に翻弄されず労せずして存在を問うことができるため、とてもありがたいかぎりです。そして、戦いでの勝利の後には、春の雪解けと共に生じた小川のせせらぎと、大地には新たな生命の息吹と時代の訪れを感じました。

ありがとうございます。