存在から
8月5日、府中の森芸術劇場でのコンサートをありがとうございました。
第一部のテーマは存在を問うことでした。連日のコンサートの初日として相応しいテーマと感じ、早くも明日以降のコンサートでの展開が楽しみとなりました。
存在を問うことについては、最近、奥武蔵の山々に囲まれた静寂の中を、夜空に浮かぶ月を見上げながらひとり歩き、自分は何のためにこの土地に来たのかをよく問います。行為としてはそこで農業を実践するためなのですが、より本質的には今後の展開を含め未知なる未来に対する問いかけであり、それは自身の存在を問うものでもあると感じています。
コンサートでは、演奏中に影のような大きな存在に出会いました。優しく懐が深くて、自分の命を包み込み支えてくれるような存在でした。山そのもののようにも感じました。
第二部では、テーマが「窮迫」とアナウンスされ、あまりの偶然に驚きました。コンサート会場に向かう電車で読んでいた本の中でたまたま目にしたことばだったからです。気になってその意味まで調べていました。最近、脈々と受け継がれてきた社会の支配構造を理解したいとの気持ちから手にした本でした。
演奏では、心臓のあたりが苦しい状態が続きました。原因を探りましたがなかなか適切な表現が見つからず、アンコールを迎えてようやく周囲の目を気にする自身の状態に気づきました。それとほぼ同時に優しいピアノの音に全身が音に包まれ、やがて終演となりました。
存在を起点に開始された初日のコンサートでしたが、そこからどのように展開していくのか、今から明日以降が楽しみです。
ありがとうございます。