存在あらわる

第一部「顕れ」

「神性の顕れる時代」というメインテーマで、２１世紀に入ってから
今日までコンサートを様々なところで開催させていただきました。
顕れ、何かひとつということではなく、単に無数ということでもなく、
各々の生命にほとんど自覚されることもなく、隠れていた、あるいは
隠されていたことが、出現する時を得ています。
そのひとつひとつは顕れ出て多様にはたらき、多様であるがゆえに
言葉でくくることはできません。
何か宗教色を強く感じられるかも知れませんが、
一部に重なることがあっても、宗教の枠内に留まることはありません。
むしろ宗教によて疎外され、顕れたものが何なのか、
はっきりしないということはあります。
顕れ出づること。これからの人類にとっての必要不可欠なことです。

第二部「冒険」

一般にとらえられていることは、危ないことを押し切って行うこと、という意味でしょう。
何で敢えてこのようなことをしようとするのでしょう。
時代の要請ですね。
もっといえば、人類の未来に欠くことのできないことになってきました。
個々人でいえば、生まれた意味、真のよろこびの継続、達成感、高齢化社会に向けての
生涯現役には欠くことのできない冒険心です。
単に頭の中でつくりあげていることでは何事も成すことはできません。
内面を中心にしたバランスのとれた強さが不可欠です。
冒険に生命はかかりますが、生命がなくなっては意味がないので
当コンサート等に参加しながら豊かな肉体をつくりあげていってほしいと切望します。

存在顕る演奏をずっとお聴きする瞬間、瞬間、この瞬間を経験する為に生まれてきたと深く頭を垂れ、全てに感謝します。一部の後半にナザレのイエスとガリラヤ湖の湖畔を歩くイエスキリストの存在を風、香りで感じた時、１０代の頃に真理を求めて教会に通い続けている頃にガリラヤ湖の畔を歩くイエスキリストの聖歌を歌い、愛おしい気持ちが溢れ出てきたことを思い出します。今日もあの時のように未来に美しい香りを感じ、私はナザレもガリラヤ湖の畔も歩いてみたいと望みました当時のように愛おしい存在に出会いました。あの時の演奏をどうのように表現できることでしょう。魂深く揺さぶられ、神と出会い、神聖なるイエスキリストと出会えたのです。先生によってイエスキリストが現われ出たのだと見え、畏れ多い場に居させていただいている光栄に魂震え、涙しました。ゲツセマネの祈りも感じました。人間の限界を超え祈りを捧げている状態を我が身で感じ、言葉を失い、胸が裂かれる悲しみに涙よりありません。闇に覆われる時代が訪れ、２０００年経っても続く闇の歴史が見えました。人間の本性や真など現せる時代ではなく、真は隠されるのです。隠し、隠されるよりなかった真、存在があらわる時が来たのです。「各々の生命にほとんど自覚されることもなく、隠れていた、あるいは隠されていたことが出現する時を得ています」とはなんという時でしょう。魂震え、鳥肌が立ちました。演奏によってイエスキリストの存在が現れ、イエスキリストを十字架に架け、闇の時代となった長い時が明らかになる時を迎えました。世俗にはまり何が真か否かもわからずに、人間とし生きることも自らわかることなく、これが人間の生き方と当たり前のように生きてしまった長い人間の歴史は終わります。存在あらわる演奏をお聴きでき、生まれてきたよかったと感謝の涙に暮れました。この瞬間に出会う為に生まれ、生きてきたと生命の奥深くから感謝の気持ちが溢れでてきます。先生にお会いする前ずっと求め続けてきた真理は現われ出た存在との出会いでありました。生命が求めてやまない真に生きる存在と出会えることを求め続けてきました。やっと出会えました。ありがたいことにここで終わることはなく第２部は「冒険」というメッセージであったのです。自由自在に無限な世界を生き、動く動きは予測も予想もつかず、まさにこの感覚が冒険なのかと感じていました。全く予想もつきませんが、生命が向かうままに動いていく心地よさと軽快さに、余計なものを背負っている生命が軽くなりました。アンコールの愛の演奏の素晴らしいことはいつも「生きていく」勇気と力を与えられます。この世界でなら永遠に生きていきたいです。

今日もウクライナの方々がたくさんお越しくださいました。前回友人が戦死した若い女性は、今日は嬉々とし輝く笑顔でお越しになりました。コンサートが終わった時は弾んでいました。皆様大変感動したことをお話くださいました。大変厳しい母国の状況はあっても心は幸せであるといつも喜んでおられます。何度もコンサートを経験していますので、今日は皆様が明るかったことで安心しました。先生のはたらきはすごいです。私は今日の演奏を聴くことができ、生まれてきてよかったと感じたことをお話させていただきました。そして皆様は今日のコンサートに参加できて本当によかったと申し上げました。ご参加くださいました全ての方に本当によかったと申し上げたいです。皆様と共に経験でき、ありがとうございます。