失われたときを取り戻す
昨日はぬくもりいっぱいのデイサービスいのちのオープン記念のお祝いの席に座らせていただき、先生が入れてくださった「いのち」コーヒーを黒も白もいただきまして、ありがとうございました。「いのち」コーヒーをいただいて、目にいっぱい涙があふれてきました。硬くなっていった内面が解けるような感じがしました。
応用コースでは介護ケアは長く生きてこられた方とその方を介護する人がそれぞれの失われたときを取り戻すチャンス、というお話がありました。80歳代になる同居の母はデイサービスにお世話になっています。最近新しく入ってこられた男性が母の座席に勝手に座ってしまって、母に「あっちいけ」と言うのが続いて困った、誰かが母の歯ブラシを勝手に使ってしまうことがあって困った、など、何かと不本意な状況にあったことを夫や私に話さず我慢していたようで、母の不眠が続いていました。不眠だと分かったので、「何かあったの?」と聞くと、せきを切ったように困った状況を話し続け同じ話を繰り返します。でも、困ったことがあって、デイの職員さんに頑張って訴えてみて、デイの対応としては男性の方を今度は母の仲良しの女性の隣に席替えすることになったときはその方がもっと嫌だったと母が必死に話したときには、母の魂を感じました。母なりに知恵をいっぱい絞って、デイのみなさんと楽しく仲良く頑張っています。自分が嫌なことは絶対他人にはしない、と母はいつも言います。私はついつい母に大きな声を上げてしまうのですが、母はめったに怒りません。人に対して声を荒げることは私は絶対にしない、と言うときの母には魂を感じます。自分よりもまず相手の気持ちを大事にするのが日本人なんだな、と母から感じます。人と人との関係をアートできるチャンスが母の魂を感じる会話にあるのなら楽しみです。戦前から長く生きてきた母の失われたときと、団塊ジュニアと呼ばれる世代の私がこれまで魂ないまま過ごしてしまった失われたときを取り戻せるチャンスが今なのだと知りました。ありがとうございます。