地、水より出でて

奈良での高句麗伝説開催ありがとうございました。湿度の高い季節の為か、高句麗伝説に向かう道のりは皮膚にじっとりと絡むものを感じながらも、眼に映る木々の濡れた緑や遠くの山々の烟る風景に懐かしさ込み上げこの季節の開催に感謝の気持ちで向かさせていただきました。そのじっとりと絡むもの等はそれぞれのコンサートの最中で、先生、高麗さんが表現されるたびに皮膚が爽やかになり首も軽くなってゆくのを感じた事から、地や水から現れた無数の魂であったことを解らせていただきました。もともとの繋がり、真を表していただき、地、水は世界と一つで連なる魂はこの時を待ち現れいでて、嘘で塗られた空気を脱ぎ、濡れ衣を脱ぎこれから生きれる時を共に迎えさせていただけた機会に心の平安を取り戻しました。先生の空気を揺らすムーグシンセサイザーの音、いつもまでも内で波を打ち続ける太鼓の音、高麗さんのお声、それらは立体的に編むように空間に見る事のできない歴史の軸やや大いなる存在、内面の世界を、実空間に永遠に見えるようにありました。高句麗伝説はもう伝説を超え、見える世界となりました。心より参加の一席に感謝するとともに、経験した一人として実らせていくよう向かいます。ありがとうございます。  杉本智子