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命と時間


遅くなりましたが、盛岡でのジェンダー、応用コース、死について をありがとうございました。愛の実現に向けて「命」を中心にどのように未来を拓くことができるか、「時間」というテーマを交えながらタイムリーなお話しを頂きました。

前日のコンサートにて「愛に向かう命」という表現が生まれ、社会制度や観念など命の働きを阻害する要因をいかに克服できるかという問題意識をもって臨んだ講座でした。また、「時間」に支配される状態をどのように抜け出すことができるか、自身の弱点としてかねてからテーマにしていた内容でした。

「ジェンダー」では、まず、感覚が仕事に奪われた状態では、男女の関係が疎外されるなど、「愛が実現する時間」と「管理社会の中での時間」に大別される時間の正体を知りました。また、各場面で目的をつくるなど、行為理論のもとで無駄なく効率よく動くことは、時間の使い方のみならず、出会い方を含めた男女関係のあり方を考えるうえで、有用であることが理解できました。さらに時間は人間の寿命というスケールに及びました。自然環境の大きな変化が予想される中、人生100年時代の生き方について方向性が示されました。それは、人類の生き残りをかけた人間の進化を各人が目指すことであり、そのような超人へ変化するための素が、Elan Vital(跳躍、創造のための力)であると認識しました。Elan Vitalは人類の希望であるとともに、森づくりなど自然環境の改善を目的に環境配慮型の農業を始めた自分にとっても大きな可能性と感じます。そして、人類が生存する為に、男女のあり方についての本来性が問われていると認識を新たにしました。

「応用コース」では、生命再生産のお話しが興味深いものでした。仕事と家庭との矛盾に代表されるように、「個性の尊重」と「仕事を時間内に終わらせる」という資本主義社会における「矛盾」を「統合」することで、命が時間の支配から解放され輝く状態を可能にするというお話しは目から鱗でした。そして、矛盾の幅が大きいほどに常識から外れている「超人」の特徴についてのお話しは、一個人の内側に存在する矛盾を統合するひとつのあり方を示唆するものと感じました。さらに、意識からの解放が内側の変化をもたらし、例えば「力の抜けた」状態を可能にしたというお話しからは、意識からの解放の探求が、超人への道のひとつの方向性ではないかと感じました。

「死について」では、死を間近にすると普段からのありのままが出るという場面を想像し、恐ろしい気持ちとなりました。死は確実にやってくるという前提を了解し、普段から常にちゃんと生きることを心がけようと、背筋が真っ直ぐに伸びる心持ちとなりました。そして、ちゃんと生きるとは「選択ができること、時間が伸び縮みできるように生きること」であり、「問いを明晰にすることで問う」ことが重要であるとのお話しからは、ハイデガーの「存在と時間」のように存在を現象学的に捉える試みが、同時に死を現象として捉える試みに通ずるものと改めて認識をしました。

ありがとうございます。

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