KEIKO KOMA Webサロン

全身全霊共鳴 極みの世界


京都に向かう朝、ベランダから眺めた空に息を呑みました。輝く太陽の光が水平に弧を描き、天使の梯子が無数に地上に降りています。雲は天に向かって無限に広がり、ダイナミックな空を見ているだけで希望に満ち溢れ、わくわくしながら京都に向かいました。

迎賓館での先生が弾かれた一音に衝撃を受け、倍音が響き渡ります。次から次へと放たれる一音一音は、容赦なく私の違和する頭の奥、身体の奥の何とも言い難い気持ち悪い部分に突き刺さるかのように、堪え難い時間が続きます。悪い所を修復して下さるかのように続きます。突然、突き抜ける感覚となり、気づけば何もかも境がなくなる世界に飛翔していました。全身全霊共鳴、極みの世界のど真ん中にいました。

どこから吹く風か、どこで見た空と海の光景か、目に浮かぶ光景の記憶をずっと考えていました。辿り着いた先はレバノンでした。ティールの海原に突き出た先端に吹く風、そこから眺めた海原、アレキサンダーのテュロスの戦いの場です。世界を変える風が吹いています。場面が変わり、同じくレバノンで急にお腹が痛くなり一人歩いていた時に、突然左から一陣の風が吹きました。吹く方向に見た光景は忘れられません。視界が開かれ、緑の風が、すべてはひとつ、愛と告げたのです。魂の故郷、レバノンのあの日の光景が鮮やかに蘇る、迎賓館のピアノは世界に向かう力を与えて下さいました。

休憩時間の後、なぜか足に意識が向かいます。両足のリンパ節を切除した私は、最近力の入らぬ無力感に不安を感じていました。先生のピアノは、腹の底に鳴り響き、大地を踏みしめる両足の確かな力が漲り始めました。未来に向かう力を注入し続けて下さっていると分かり、思わず頭を下げました。

未知なる未来へのときめきが生まれます。顔を上げ前を向き、颯爽と風を受けて歩こう。目を開け顔を上げると、真っ正面にふくろうさんの真っ直ぐな瞳が、私を見つめています。知恵を授かるが如く、頭を働かせろと語る瞳を見つめていました。頭の深奥が、痛い程に研ぎ澄まされていきます。知恵を働かせて動きます。ありがとうございます。

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