全てに感謝
2月はコンサートにて、神とひとつという不思議な経験を重ねていました。世俗と交わることなく人と境なく神に溶け込んでいく生命の輝き。
前日の16日はふと父の部屋に行ったとき、これはまずいと瞬時に思うほど神性現る空と空間が広がっていました。肩にもたれかかる父の肩を抱き父の生命の光ともなく神の光ともなく空間と私の中に満ちていくのを静かに受け止め、涙ばかり溢していました。全てが万分の1秒のタイミングで間に合い、奇跡的に調和している人間の美しい生命であることを教えて頂きました。その時は呼吸が安定して息を吹き返し、さっきは危なかったんだと自ら姉に話し、丘の上の草原で大きい木にもたれてすごく気持ちが良かったと嬉しそうにしていました。でもここにいてはいけないからこの世に戻して下さいと言ったんだ、先生すごいねと。
ロシア人みたいな男の人とか、色んなものが見えたというのでそれは走馬灯だよと冗談のように皆で笑っていたのです。
そんな神聖な空間の中で、初めて心ひとつ命ひとつになり地上でコンサートでの神とひとつになる経験ができるなんて今はここしかないねと大きな喜びの中にいました。父がずっと求め続けていたことです。
亡くなったとき、姉と私と母と、一緒に過ごせたこと、その日々に、あぁ幸せだったよと大変満足そうに喜ぶ父の声が聞こえました。
翌日は仙台でのコンサートがあり当日朝まで私に仙台に行って来なよと言っていた父の事を想います。何のしがらみもなく名前も経歴もなくなった今の父が人が変わったようにどんどん解放され変容しそのまま語りかけます。コンサートの中継にて新しい愛の幕開けを経験させていただき、父が本当の愛の究極をわかるのはもう少し先かもねと私は笑いかけるのです。
葬儀はいだきしん先生の音楽と大好きだったジャズと皆様の大きなお気持ちとで大変温かいものとなりました。良い葬儀だった、あっくんらしかったと厳しい方々からも喜んで頂き心から安堵します。
歴史の長い家でわだかまりは多くあり、ずっと整理し続けてきた数年でした。しかし今回は、父と生きてきた日々の中で徐々に徐々に変化して来たことが親戚の中で一気に一括に起こり父との幸せが皆の中に広がっていきます。一人に真摯に向き合ったことが身になり、空間を変えていく奇跡を知ります。
先生や高麗さん、ご家族の皆様は常に共にいて下さり私たちは日に日に元気を増して葬儀までを無事に終えることができました。
悲しみばかりではなく、悔しさもなく、亡くなる前から今日までずっと幸せだった私達の経験を誰かに知っていただきたくてこの様な表現とさせていただきます。俺が働くのはこれからと意気込んでいますので、私たちは共に色彩豊かな未来へと向かって参ります。
沢山の御花やお気持ち、御弔電、web salonへの温かい書き込みなど、心より御礼申し上げます。有難うございました。
伊藤愛