光のさざ波
府中の会場は少し遠いので、いつもどんなに頑張っても仕事帰りだと間に合わず、途中のブレイクタイムで入らせて頂きます。その時にいつも残念なのは、先生のメッセージが分からない事です。久振りの府中は雨が降り、足が痛んでうまく走れない私は、今日も駄目かと思いながらも電車に飛び乗り、必死で足を動かし会場に向かいました。座るやいなや時計を見ると、何と開演2分前。思わず手を合わせ感謝から始まりました。ピアノの音は、あらゆる揺らぎが浮き上がるようで、気持ちが悪く揺さぶられながら耐えるしかありませんでした。私は一体今まで、どれだけ曖昧にしてやり過ごしてきたのだろう。やがて揺らぎは、全体にひとつに溶け込み、あたたかく安堵と共に休憩時間を迎えました。二部のメッセージは、こんなに緊張したことはないくらい、一言も聞き漏らすまいと集中しました。あとは何も覚えておらず、気づいたらアンコールでした。パイプオルガンと共に会場の手拍子が、光の海のさざ波のように見えます。全員で先生と共に新しい世界に無事脱出できましたこと、また最初から会場に座ることができ、コンサートに臨むことができましたこと、すべてに感謝申し上げます。ありがとうございます。