先を創る光
ウラジオストクから帰国し職場に戻って驚いたのは、業務の滞留状況があまりにも酷く、その量を見て思わず笑ってしまいました。一週間不在にしただけで、こんなにも荒れてしまうのかと、想像を遥かに超えている現実の中で、やる事は一つなのでひたすらノイズを取り込まずに集中するのみと取り組んでいます。ですが案の定の展開で、業務のキャパを超えた状況が長引くと、場が荒れだし人は愚痴から文句となり負のエネルギーを撒き散らしていきます。思った通り、いえそれ以上に面白いのは、言っている内容が非論理的である事です。思い込み、人のせい、被害妄想、あらゆるものが言葉に凝縮され手に取るように見えました。同じ厳しい状況の中で、どう取り組んでいくのか自ずと真っ二つに分かれ、誰が見ても明らかに分かる今を迎えました。顔を上げて明るく、前に向かい続ける人と先を作ることが大事であり、そうでない方に無駄な労力と時間をかけている場合ではないと、私自身が変わりました。すると、先に向かう為に何をすべきかが見えると同時に言葉が先行して方向性を教えてくれるのです。大変な状況だからこそ、どう乗り越えていくのか、どうやって結果を出すか、今ワクワクしています。
このように考えられるようになったのは、先日のドキュメンタリーサロン「パリ」に参加させて頂いたからと考えます。パリでの展示会の準備の中で、ガラス越しに外を通りかかった男性に高麗さんが笑顔を見せ手を振る姿に、自分がそうされたかのようにドキッとし、無性に嬉しく私も満面の笑顔となるのです。瞬間の出来事に、こんなにも豊かに幸せに人を変える力がある事が希望となります。私もそうありたいと強く望む瞬間でした。また、パリでの先生のピアノコンサートを聞かせて頂けるとは、夢にも思わなかったのでビックサプライズでした。高麗屋さんでの素晴らしい音響の中で、先生のピアノが私の胸のど真ん中で鳴り響きます。それは、世界に向かって鳴り響く、先を創る光の音です。こんなに胸が高鳴る経験は初めてです。この経験がなかったら、職場での人を負の連鎖に巻き込むノイズに、私自身がやられてしまっていたでしょう。何があっても揺るがない内面の力が、今こそ大事であると身をもって経験しました。下を向き顔を曇らせることなく、明るく活発に笑顔でどんな時も乗り越えていく力を頂いた「パリ」です。ありがとうございます。今日となりましたが、迎賓館コンサートが更にあります事、感謝いたします。よろしくお願いいたします。